この前、イケハヤさん(@IHayato)のDAO解説動画を見たんだけど、すごく分かりやすくて勉強になったよ!
でも興味あるけど1h動画見るのは難しい・・・って人も結構多いんじゃないかな?ボクが要点をまとめたよ✨
まずはイケハヤさんとNinja DAOについて。
イケハヤさんはNinja DAOというコミュニティーを運営している
メンバーは9000人を超えている
現時点で完全なDAOではないが目指している国内最大級のDAO
では本編に行きましょう。
DAOの定義と3つの特徴
DAOは「Decentralized Autonomous Organization」の頭文字をとっている。
日本語では「自立分散型組織」と訳される。
DAOは現在、世界中にたくさん存在している。
物凄くザックリいうと「会社よりイケてる組織形態」だと言えるのではないか。
イケハヤさん的、DAOの特徴(広義の定義)は下記の3つ。
特徴1 「リーダーがいない」
これは「会社に社長がいない状態」です。
これにより起こる2つの問題と回答です。
DAOではどうやって仕事をするのか?通常は仕事は社長が社員に割り振るもの。
「自分で仕事を提案する」です。これについては後からも実例で解説します。
どうやって意思決定するのか?
投票トークンを使って皆で意思決定する
意思決定の例としてNinja DAOでは「イケハヤさんがCluster事業部に予算を出す事に賛成or反対?」を投票トークンを使って決定。結果は100%賛成となりました。
特徴2 「投票トークンで意思決定する」
通常、会社には「株主」がいて会社の方向性について意思決定を行います。
しかしDAOには「株主」はいません。
DAOは「ガバナンストークン(=投票トークン)」が使われます。
ガバナンストークンの入手方法は2つです。
DAOに貢献すると付与される
市場で買う事が出来る
(※恐らく今の日本では法律上、不可能。海外のトークンなら買う事ができる)
特徴3「匿名で参加可能」
これは「株式」と「ガバナンストークン」の違いから発生します。
会社は匿名で入社する事はできませんし、株式も匿名では買えません。
しかしDAOに参加してガバナンストークンを取得する事は国籍、年齢、性別など一切関係なく可能なのです。
それゆえ、DAOは実力主義と言えます。匿名だからバックグランドもわからない。
その人の提案がイケてるのか?その人の仕事が良いものか?だけが評価される世界観です。
さらに細かくDAOを定義すると
組織の活動に「スマートコントラクト」が用いられているか?という観点がプラスされます。
「スマートコントラクト」=コードのことです。
プログラミングされたコードによって人間が自立的に動く世界観です。
コードはブロックチェーンに配置され、完璧なDAOはコードだけで完結します。
しかし、これについてイケハヤさんは「多くのDAOはまだまだ人間が主体である。Ninja DAOもそう」と説明しています。
コードが支配する、という点で「DAOではメンバー同士信頼する必要はなく、コードを信頼すればいい」とする記事もあったよ。
参考リンク→ mint Crypto notesの記事
DAOの事例
もっとも成功しているDAOは?
ビットコイン
ビットコインの凄いのはブロックチェーン上のコード(スマートコントラクト)を元に全てが動いているところです。
マイニングしたり、取引所を作ったり、コードに従って人間が動いています。
ちなみにビットコインのコードはコチラで公開されています。
誰でもコードの改善提案が出来る状態となっています。
また「匿名で参加できる」という点で、そもそもの中心人物SATOSHI NAKAMOTOが匿名です。
一点だけ上記の3つの定義から外れるのがガバナンストークンが無い、と言う事です。
ガバナンストークンは2018年くらいから流行りだしたので割と最近の話だからかもしれません。
それでも自律的に人々が動いているので、もしかしたら完璧なDAOはガバナンストークンがいらないかもしれません。
ボクはこの話を聞いてBTS ARMYの話を思い出したよ!
ARMYは「どうやったらBTSをYouTubeランキング1位に出来るか?」という目標を立ててみんなでリサーチして戦略を立てて達成していったりしているんだ。
見返り(トークン)もないのに沢山の人が動くのは「自律分散型」というに相応しいんじゃないかな✨
コードが支配している訳ではないからDAOとは呼べないのかもしれないけどね。
イーサリアム
「社長不在」「匿名」「コードが支配」をクリアした非常に高度なDAOです。
(ただ一部では「イーサリアムは中心人物がいるからDAOか怪しい」とする言説もあるようですが)
ビットコインもイーサリアムもただの仮想通貨だと思っていたけどDAOの名前だったんだね。
それぞれBTC、ETHというトークンが発行されている、という事だったんだ!🖋🖋🖋
その他のDAO事例
メディア系DAO「Bankless DAO」
銀行がいらない世界を作るコミュニティです。今の活動としては皆でメディア作っています。
意思決定はガバナンストークン「BANK」を使って行います。
「BANK」はすでに取引所で取引されていて仮想通貨ランキング1000位です。
いわゆる草コインではありますが換金も可能です。
例えば「メルマガの日本語版を作ります!なので予算を100BANK下さい」と提案したら通るんじゃないかな?との事。
これがDAOで仕事をするイメージです。
投資系DAO「BitDAO」
みんなでお金集めてみんなで投資しよう!というコミュニティです。
ただ、Bybitという取引所が主導している雰囲気があるのでDAOなのか?疑惑はあるようですが。笑
投資の利益をスマートコントラクトで還元する形式もやっていない模様。法に触れる可能性があるからやっていないのかもしれないと推測しています。
ちなみに日本で投資DAOを作るとたぶん逮捕される、との事です。
DAOは新しすぎるので技術的にはできるけど、やると法律的に違法になってしまう場合もあるので要注意です。
ゲーミングDAO「YGG」
みんなでブロックチェーンゲームやってPlay to earn(P2E)しようぜ!というゲーマーのコミュニティです。
Axieとかやってる人はここで情報交換とかできます。
いろんなゲームと公式パートナーシップを結んでいます。
DAOで所有しているNFTをレンタルして収益化しています。
ステーブルコインの分散型取引所「Curve」
DeFiのDAOです。
年間数十億円の手数料収入を生み出すDeFiプロトコルです。
取引所はコードで作られていて、プログラムは公開されています。
発行しているトークン「CRV」は人気の仮想通貨です。
このトークンをどのプロトコル(サービス)に配布するのか?その比重をDAO方式で決めています。
配布が多い$MIMなどは利用者のメリットが増えるのでユーザーも増えるという仕組みです。
NFTをみんなで買う「PleaserDAO」
みんなで出資してNFTを買うDAOで有名投資家も参加しています。
DOGE Coinの元ネタになった犬のNFTを買ったりしているようです。
特徴は「メンバーが厳選されているプライベートDAO」である点。
今まで紹介したDAOとは違い、誰でも入れるDAOではないようです。
自由なIPを作る「Ninja DAO」
新しい時代のIPを作るDAOです。
現在「二次創作」は著作権的にグレーゾーンです。
もし今ピカチュウの絵を描いてNFTで売ったら多分逮捕されると思います。
そこで、もっと自由なIPをDAO形式で作りたい!と言う事でイケハヤさんが開設されたDAO。
Crypto Ninjaは自由にグッズつくったり、ゲームにしたり、アニメにしたり自由に商用利用してもOKです。
投票トークン(ベータ版)もあるので参加すればDAOの雰囲気が少しは分かると思います。
イケハヤさんから「こんなDAOあったら面白いんじゃない?」という提案
チャリティ系DAO
みんなから寄付金をあつめて、みんなで寄付先を決めるDAOは良いのではないか、と提案されています。
なにが良いか?と言うと「ブロックチェーンやスマートコントラクトで資金移動がクリアになる」という点です。
度々、チャリティで集まったお金の使用用途については問題になるので、その点を完璧に解消可能です。
既存事業をDAOでやってみる
みんなでゲームを作る。みんなでメディアを作る。
他にも配送、飲食、EC、メーカーなど既存事業をDAO化は面白いかもしれません。
DAOにまつわる課題
①自律的・分散的にするのが難しい
主に下記のような課題があります。
結局、一部の人が権力を持ってしまう
ガバナンストークン(投票トークン)がうまく機能しない問題
ツールとリテラシーの問題
給付金(インセンティブ)を配って人を集めても効力がなくなったら人々は離れてしまう
持続的な成長ができない場合、縮小していく
いくつか説明します。
結局、一部の人が権力を持ってしまう
Ninja DAOも今は結局イケハヤさんが権力の多くを持っているので、今後分散させて行きたいととの事です。
ただ、最初は中央集権で始まるの仕方がない。
ビットコインもイーサリアムも始めは中心人物がいました。
DAOは一朝一夕で出来るものではありません。
初期の段階でビジョンを示す人に権力が集中するのは仕方ないんだね。
徐々に移行して段階的に分散化していく動きが重要なんだ✨
ガバナンストークン(投票トークン)がうまく機能しない問題
例としてVenus(DeFiのプロトコル)の事件があります。
これは「投票トークンで決定した提案内容を運営が強制的にキャンセルした」という事件です。
これは提案の方にも問題ありました。
Bravoという組織が「Venusを運用するチームをもう一個つくろうよ」と提案してVenusを乗っ取ろうとしたのです。
推測ですがBravoが投票トークンを市場で買いまくったのでは?という疑惑があります。
これも問題ですし、最後は決定内容を運営が強制キャンセルする形で幕を閉じています。
運営に都合が悪い意思決定を強制キャンセルしてしまうので「お前ら全然分散化できてねーじゃんかよw」というお話でした。
投票トークンが不正に入手されたもので無いかもブロックチェーンのスマートコントラクトでチェック出来るようにしないとだね・・・!
ツールとリテラシーの問題
投票トークンの投票場所としてSnapShotというツールがよく使われますが、日本語対応していないし使いづら買ったりします。
また、投票トークンの扱い(トークンの受け取り、扱い、投票する処理)にもクリプトの知識が必要なのはDAOへの参加ハードルと言えます。
また現在DAO運営ではDiscordがよく使われますがDiscord自体が中央集権的だよね、という話があります。
確かにDiscordは管理者の気分一つでコメント削除したり、チャンネルから締め出したりできるもんね・・・
②法的・税務的に整理されていない
DAO全体として得た収入は誰がどうやって、どの国の法律に従って納税するのか?という問題です。
そもそもDAOは法人なのか?という問題に対してはイケハヤさんも「今の日本でDAOが法人なのか、フリーランスなのか?どんな形態に属するのか?全くわかりません」との事です。
③コードのバグがリスク
DAOを支配するコードにバグがあると重大な問題が発生します。
例として2016年 The DAO事件が挙げられます。
この「The DAO」は投資型DAOでイーサリアム上に誕生しました。
しかしハッキングされてしまい50億以上が盗まれました。
結局、この件はハードフォークを行い収束しましたが、コードが不完全だと甚大な被害が出ます。
ハードフォークを行うと従来のものと互換性がなくなるので新しいスマートコントラクトが誕生します。
この件ではイーサリアム クラシック(ETC)というプラットフォームが新しく誕生しました。
引用元:Wikipedia
DAOの未来
では今後、DAOが浸透したらどうなるのでしょうか?
下記2点、言及されています。
企業に就職しないでDAOで働く人が増える
複数のDAOで働くのが普通になる
企業に就職しないでDAOで働く人が増える
今からDAOとして発展していきそうな有望プロジェクトを見つけておくと良いかもしれません。
さらにそこで小さくても改善提案するなどDAOに慣れておくと尚良いでしょう。
エンジニアだったら便利ツールを作るとかで貢献できます。
例えばNinja DAOではトークン配布システムをsyouさんという方が作って下さったとの事です。
複数のDAOで働くのが普通
予算があるDAOに良い提案をすればそれで仕事になります。
自分のスキルを世界に売り込んで仕事するのは楽しいと思います。
始めはこんな感じで始めて
週4日・・・「既存の働き方(会社員やフリーランスなど)」
週1日・・・「DAOで働く」
段々DAOの比率を増やしていく感じかな✨
個人的に全収入をDAOで稼げるようになるかは今の時点ではなんとも言えないのかな〜と思ったよ。
まとめ
ここまで見てきた通り現状、完璧なDAOはビットコインくらいという所です。
それくらい完璧なDAOを作るのは難しいと言う事です。
ある種、世界平和のような究極の理想のようなものかもしれません。
とはいえ、今後DAO的な組織は増えていくとは思います。
DAOはすごくワクワクする一方、まだ課題も沢山あると言う事が分かったよ!
気になったのはガバナンストークン(投票トークン)を発行する時、何を基準に発行するか?という所かな。
そこもコードで「xxxをやったら100トークン渡す」とキチッと定義できれば良いけど出来ない場合は投票トークンの多数決になるのかな、とか。
その場合、「何をやっているか?より、誰がやってるか?」が重要視される気がする。
ボク個人の希望としては資本主義では弱者とされた人たちに力を与える仕組みになってくれると嬉しいって事かな。
これからDAOはどんどん増えていくだろうから、今から慣れておくというのは重要だね!
イケハヤさんが言ってた「メルマガの日本語版を作ります!」というのやってみようかな☺️
オリジナルの動画は1hと短くはないけど、見るとすごく勉強になるし分かりやすいから是非見てみてね!
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